大阪府公表。最悪の場合死者数は阪神大震災の二倍も!

大災害時には、地域が頼り。町内会単位の「自主防災組織」の重要性に言及している。

日経ネット関西版より

大阪直下型地震への備え──地域の防災力強化急務(11月27日) 先月末、大阪府が大阪直下型地震の被害想定を公表した。最悪の場合、死者数が阪神大震災の2倍近い1万2000人になるという。

 府や各市町村はこの被害想定に基づき、倒壊の恐れがある木造住宅の耐震化、救急医療体制の整備、帰宅困難者への対応など様々な対策を進めることになる。

 阪神大震災では、発生直後の人命救助に大きな役割を果たしたのが地域住民だ。大災害になれば行政の力だけに頼れない。こうしたことから国も地域の防災力強化に力を注いでいる。

 その核となる1つが「自主防災組織」。消防団とは別に、町内会などの単位で、初期消火や人命救助、避難支援などに当たる住民組織だ。

 大阪市はこの自主防災の組織率が100%。全国平均の64.5%(2005年4月現在)を大きく上回る。

 市は阪神大震災を機に、小学校区単位で16人の「地域防災リーダー」を選んでもらった。これにより、震災前に0%だった組織率が1年で100%になった、とした。形式だけを整えた感は否めず、市が昨年実施した調査でも「地域防災リーダーを知っているか」の問いに「知っている」と答えた市民は10.4%にとどまっている。

 市担当者は「100%といっても数字だけ、という面はあった」とし、今後は各地区で防災マップを作ってもらったり、防災リーダーも増員するなど、活性化策を考えていくという。

 コミュニティー意識が希薄とされる大都市部で、住民の力を生かした防災の試みに東京都荒川区の例がある。「区民レスキュー隊」は地震後、倒壊家屋などに閉じ込められた被害者を救出する目的で、チェーンソーなどを装備。約半数の町会に設けられており、各町会で10人程度が訓練を重ねている。

 さらに、高齢者などを背負ってでも避難させるという「おんぶ作戦」も20年ほど前から導入。だが、こちらはおんぶ隊の世代交代が進まず、活動はやや沈滞化。「救助する側に名乗りを上げていた人たちが20年で高齢化し、救助される側に回りつつある」(同区)という。

 このことは、いつ来るか分からない「いざ」という時まで、地域の防災意識を持続、継承することがいかに難しいか教えているようだ。

 「災害はコミュニティーの実力テスト」。京都大防災研究所の林春男教授は、こう指摘する。「日ごろ、コミュニティーの力が弱いところが、災害の時だけ力を発揮することはない」という。「かつての地域社会には、意識しなくても災害に備えられるような様々な仕組みがあった。地域の祭りも住民の結束に加え、誰にリーダーの資質があるとか、災害時の人材を見極める役割を持っていた」

 阪神大震災で高まった防災への意識は、震災から11年を経て再び薄まりつつある。災害に強い地域社会、住民組織をどう作っていくか。今回の被害想定公表を問い直しのきっかけにしたい。

http://www.nikkei.co.jp/kansai/now/36859.html

投稿者 文洋株式会社 : 2007年5月28日 15:48