災害弱者の名簿「地域と共有を」/厚生労働省通知 続き

朝日新聞 07年8月20日

 

関東弁護士連合会が昨年9月にまとめた調査では、関東地方の147市区のうち、福祉部局の情報を防災部局が把握しているのは17%。民生委員や自主防災組織と協議を進めているのは28%だった。

 

全国約23万人の民生委員を束ねる全国民政委員児童委員連合会は「活動が制約を受け、地域の共助の力を弱めかねない」と危機感を強める。民生委員は守秘義務も課せられているが、秋田市のように、法施行後に母子家庭の世帯名簿の提供をとりやめた自治体もある。
 また、三重県内のある民生委員によると、障害者の情報はいっさい提供されなくなり、イベントの案内をする際、電話で伝えられず、自治会に回覧を回したと言う。

 
こうした事態に不安を抱いた千葉県議会は昨年、情報共有が容易になるよう個人情報保護法の改正を求める意見書を可決している。

一方、大規模災害を教訓に独自に災害弱者対策を進め、うまくいったケースも。  今年3月に能登半島地震に見舞われた石川県輪島市や七尾市の地区では、阪神大震災などきっかけに民生委員らが地域を歩いて作っていた要援護者マップが威力を発揮した。高齢者のみの世帯や独居世帯、寝たきりの人がいる世帯などを色分けしており、安否確認がスムーズにいった例もあった。
 
神戸市は、要援護者の名簿づくりを、阪神大震災で200人以上が亡くなった東灘区の魚崎地区をモデル地区にして、昨年から取り組み始めた。避難時に支援を必要とする人が、「助け手」となりそうな近所の人を登録できるようにした。見つからない場合は自治会が仲介する。要援護者の情報を活用して見守りや避難訓練も行われている。
投稿者 文洋株式会社 : 2007年8月21日 10:43