地域とのつながりが薄い人が災害時には弱者

08年1月朝日新聞に「命を守る我が家と地域」と題された、
富士常葉大大学院の垂川希志依教授(防災教育)のすばらしい論文が掲載されました。

以下:本文

 地震から命を守るために、起きてから出来ることはほとんどない。阪神大震災の教訓からはっきり言えるのは、まず我が家がつぶれないようにすることだ。

 この震災の直後に亡くなった約5500人のうち、9割は自宅で命を落とした。検視結果をみると、8割以上が即死だった。仮に自衛隊の出動が早くても、救える命はごくわずかだったろう。

首都圏で「地震で一番危ない湯所は」とアンケートしたところ、地下街、高層ビル、地下鉄が上位を占め、「我が家」と答えたのは最も少なかったという。多くが安全だと居じている我が家で、多くの命が奪われる。すぐに改修できないなら、家具は固定し、寝室には置かないなど出来るところから始めよう。そうしてリフォームや建て替えの時には必ず耐震性を高めてほしい。

 それでも自宅や家具の下敷きになってしまったら、だれが助けてくれるのか。
 日本火災学会の調査によると、阪神大震災では32%が家族に、28%が友人・隣人に助けられた。消防の救助隊などに助けられた人はわずか2%だった。
 多くの湯合、助けようとしてくれる人が近くにいるかどうかが生死を分けた。

 普段の生活なら、近所付き合いなしでも困ることは少ない。しかし、想像してほしい。近所の人は、余震が続き火災が迫るなかで、普段言葉も交わさず、家族構成も分からないあなたの家族のことを気にかけてくれるだろうか。災害弱者とは高齢者や障害者だけを指すのではない。地域とのつながりが薄い人が災害時には弱者となる

 国の被害想定で「首都直下地震で1万3千人が死亡」と膨大な数字を突きつけられても、びんとこないかもしれない。しかし、地震の活動期を迎えた日本列島は、いつどこで大地震が起きても不思議ではない状態だ。

 自分や家族が犠牲になるかどうかは、今のあなたの備えにかかつている。

過剰反応対策盛る~内閣府

08年1月9日朝日新聞から

個人情報保護の基本方針
過剰反応対策盛る
・積極的に広報「限界ある」の声も

 個人情朝保護法のもとで、必要な情報まで提供をためらう「過剰反応」が続いている問題で18日、内閣府は政府の「個人情報の保護に関する基本方針」を3月に改正して対応する方針を明らかにした。

 05年の同法施工に伴い、同窓会の名簿作成をやめるなど、従来のコミュニケーションが損なわれるような事態が起きている。しかし政府は昨年、同法の改正ではなく運用で対応する方向性を決めている。
 基本方針改正原案では、過剰反応があることを明示しつつも、元々あった「広報・啓発に取り組む」の文言に「積極的に」を加えるにとどまっている。

 このほかの改正点として、市販品など一般に出回っている名簿などを廃棄する場合は、シユレッダー処理しなくてよく、廃品回収に出しても構わないとしている。

 また、政府機関や自治体、独立行政法人の情報公開の度合いが個人情報保護を理由に後退している現状も指摘されていることから、「必要性が認められる場合は個人情報の公表等は可能」との記載を加え、個人情報保護が情報隠しの理由づけにならないようにする

 これらの改正原案は18日の国民生活審議会個人情報保護部会に示された。委員からは「広報や啓発といったアブローチでは限界がある」という意見も出た。基本方針は、政府の個人情報保護の方向性や考え方を具体的にまとめたもので、04年に閣議決定。改正も閣議でできる。

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町会主導で住民消火隊~上十条五丁目町会の試み

弊社をご愛顧くださっている、上十条五丁目町会さんの取り組みが
朝日新聞08年1月15日付けに取り上げられました。


木造住宅密集地 防災計画から外れた
町会主導で住民消火隊
 環状7号線に画した東京都北区の上十条5丁目。木造住宅がひしめくように立ち並び、都の調査では火災危険度が最高レベルの「5」に指定されている地域だ。
だが、町会長の望月さんは05年、都の改定した「防災都市づくり推進計画」を知らせる北区の広報誌を見て驚いた。集中的に防災対策を進める整備地域から抜け落ちていたからだ。

 都心部では、関東大震災と太平洋戦争による戦災の後、区画整理事業が進められた。一方で、その周辺部には焼け出された人たちが相次いで住宅を建てたことで、山手線の外側から環状7号組までの数キロにかけてドーナツ状に密集地が広がる。

 大地震に備え、そうした老朽化した木造住宅の密集地域を改善しようというのが、阪神大震災の翌96年から取り組む都の推進計画だ。整備地域の指定を受けると、街の不燃化を進める事業では国や都の補助率が大幅にアップして、街つくりのスピードが格段に上がる。

 整備地域の指定は数年に1度見直される予定だが、望月会長は次の改定を待たずに、住民に呼びかけて初期消火にあたる災害ボランティアの結成に乗り出した。

 その動きを後押ししたのが消火栓を活用するスタンドパイプの存在だ。地下式の消火栓を、市民が使いこなすのは難しい。このパイプは重さ4キロで自在に持ち運べるうえ、地上から消火栓に簡単に差し込め、ホースをつなげは放水できる。
 町会では災害ボランティア10世帯が1組となってスタンドパイプを備え、出火時には20メートルのホースを2本接続して、半径40メートルの範囲の火災を消し止める態勢を目指す。現在は消火栓に近いボランティアの個人宅に2本を預け、今春までに新たに5本が配備される。

 町会のこうした取り組みには工学院大学の研究者らが協力し、防災マップを作成。スタンドパイプなどを利用し、町内の路地を舞台に実践的な防災訓練を続けている。

 首都直下で最も切迫している東京湾北部地震で想定される1万1千人の死者のうち、6200人が火災による犠牲者だ。国の中央防災会議は06年春、死者数を10年間で半減させる「地震防災戦略」をまとめたが、火災による死者を減らすには街の不燃化とともに初期消火が大きな鍵を渥る。そのため、自主防災組織の組織率を96%まで引き上げる計画で、そうした欠災対策で4千人の死者を減らせるという。

 消防庁消防研究センター火災災害調査部長は「大地震による同時多発欠災に備えるには自主防災組織の組織率を引き上げるのと同時に、初期消火に効果的な機材の配備が不可欠だ。上十条5丁目町会の活動は先駆的な試み」と指摘する。

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分別回収支えてきた住民に衝撃~古紙偽装問題

08年1月25日 朝日新聞より
「古紙再生の傷深く 偽装問題で信頼失墜」

製紙各社が再生紙に含まれる古紙の割合を実際よりも多く見せかけていた偽装問題は、商品を買う側の不信を招いただけでなく、古紙リサイクルを支えてきた住民らの環境意識も傷つけた。朱塗した信頼を取り戻すには、古紙の配合率をどう定めるべきかを含め、「環境に配慮した紙のあり方」を見直すことが必要になっている。

分別回収支えてきたのに・・・住民に衝撃「やるせない」
東京都中野区で町内会長を務め、地域での古紙回収に取り組んできた大野はショックを隠さない。「古紙の再利用は環境にいいことだと住民に呼びかけてきたのに、これではやるせない」
 国内での古紙回収量は年間約2280万トン(06年)。回収率は72%と年々向上してきた。ペットボトルなどと比べても再生利用量はケタ違いに大きく、「リサイクルの優等生」と言われる。それには、住民らがほば無償で分別回収に協力してきたことが大きい。

 リサイクル問題に詳しい「サステイナブル・デザイン研究所」の西原弘さんは「集めた市古紙が表示通りに再生紙に高い割合で入ることで、環境保全に貢献していたと思っていたのに、実際は違っていた。住民や事業者の協力意欲をそぎかねず、心配だ」と指摘する。
 

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地域コミュニティ

「自治を読むキーワード  地域コミュニティー」

 少子高齢化や核家族化が進み、市町村合併で地域の連帯感が薄くなるなか、地域コミュニティーの再生が各地で課題になっている。
 
 福岡海が昨年、市内2245の自治会・町内会にアンケートした。約3割の自治会・町内会が「1世帯も加入
がない集合住宅がある」と回答。未加入の理由は「自分に関係ない」「会費を払いたくない」が上位を占めた。同市は住民自らが行動するコミュニティーつくりを検討中だ。
 
 この10年で自治会の加入率が1割以上減った宮崎市では、新たな「地域コミュニティ税」の導入を目指す。市の担当者は「等しく税を取ることで意識をもってほしい」。総務省の研究会は「これまで地域活動への参加は『私』だったが、『公』にすべき時だ」と提言している。

~新聞記事より