町会主導で住民消火隊~上十条五丁目町会の試み

弊社をご愛顧くださっている、上十条五丁目町会さんの取り組みが
朝日新聞08年1月15日付けに取り上げられました。


木造住宅密集地 防災計画から外れた
町会主導で住民消火隊
 環状7号線に画した東京都北区の上十条5丁目。木造住宅がひしめくように立ち並び、都の調査では火災危険度が最高レベルの「5」に指定されている地域だ。
だが、町会長の望月さんは05年、都の改定した「防災都市づくり推進計画」を知らせる北区の広報誌を見て驚いた。集中的に防災対策を進める整備地域から抜け落ちていたからだ。

 都心部では、関東大震災と太平洋戦争による戦災の後、区画整理事業が進められた。一方で、その周辺部には焼け出された人たちが相次いで住宅を建てたことで、山手線の外側から環状7号組までの数キロにかけてドーナツ状に密集地が広がる。

 大地震に備え、そうした老朽化した木造住宅の密集地域を改善しようというのが、阪神大震災の翌96年から取り組む都の推進計画だ。整備地域の指定を受けると、街の不燃化を進める事業では国や都の補助率が大幅にアップして、街つくりのスピードが格段に上がる。

 整備地域の指定は数年に1度見直される予定だが、望月会長は次の改定を待たずに、住民に呼びかけて初期消火にあたる災害ボランティアの結成に乗り出した。

 その動きを後押ししたのが消火栓を活用するスタンドパイプの存在だ。地下式の消火栓を、市民が使いこなすのは難しい。このパイプは重さ4キロで自在に持ち運べるうえ、地上から消火栓に簡単に差し込め、ホースをつなげは放水できる。
 町会では災害ボランティア10世帯が1組となってスタンドパイプを備え、出火時には20メートルのホースを2本接続して、半径40メートルの範囲の火災を消し止める態勢を目指す。現在は消火栓に近いボランティアの個人宅に2本を預け、今春までに新たに5本が配備される。

 町会のこうした取り組みには工学院大学の研究者らが協力し、防災マップを作成。スタンドパイプなどを利用し、町内の路地を舞台に実践的な防災訓練を続けている。

 首都直下で最も切迫している東京湾北部地震で想定される1万1千人の死者のうち、6200人が火災による犠牲者だ。国の中央防災会議は06年春、死者数を10年間で半減させる「地震防災戦略」をまとめたが、火災による死者を減らすには街の不燃化とともに初期消火が大きな鍵を渥る。そのため、自主防災組織の組織率を96%まで引き上げる計画で、そうした欠災対策で4千人の死者を減らせるという。

 消防庁消防研究センター火災災害調査部長は「大地震による同時多発欠災に備えるには自主防災組織の組織率を引き上げるのと同時に、初期消火に効果的な機材の配備が不可欠だ。上十条5丁目町会の活動は先駆的な試み」と指摘する。

タイトル わが街 火災から守る
 首都直下地震が起きると、あちこちから火の手の上がる「同時多発火災」が発生する恐れが強い。木造住宅の密集地はJR山手線を囲むように広がり、消防車の入れない狭い道が入り組んでいる。東京都は延焼を防ぐ都市つくりを進めるが、その計画から抜け落ちた地域では「自分の街は自分たちで守る」と住民主体の防火対策が始まっている。
大規模災害にどう備えるのか。6400人余の犠牲者を出した13年前の阪神大震災から学んだ教訓をの報告でした。

※地域コミュニティ組織町会・自治会の大切さが改めて指摘されています。

投稿者 文洋株式会社 : 2008年2月17日 18:27