古い家電の危険サイン周知に回覧板作戦
「長年使っている扇風機には注意を」「古い家電は不調のサインを見逃さないで」――。経済産業省は、購入から年数がたって安全性の低下した家電製品を使用しないよう呼びかけを始めた。家電製品を大事に使っているのは高齢者の家庭が多いため、周知の方法に選んだのは昔ながらの回覧板。危険な兆候を書いたチラシ約350万枚を全国の自治体に送った。
注意を呼びかけているのは扇風機、換気扇、テレビ、エアコン、洗濯機の5種類。扇風機などは潤滑油がなくなるとモーターが過熱してたまったほこりが発火し、エアコンや洗濯機は水漏れで電気系統がショートする危険があるという。
家電ごとに「モーターの異常音や過熱」「焦げ臭いにおいや室内機の水漏れがある」などといったチェック項目を掲げ、一つでも当てはまる場合は使用をやめるよう促している。今月24日から全国の市区町村に発送しており、町内会などを通じて全国約5000万世帯に順次、回覧板を回す。
家電製品の経年劣化の危険が改めてクローズアップされたのは、東京都足立区の民家で昨年8月、就寝中に回していた扇風機から出火、80歳代の夫婦が焼死した火災がきっかけだった。東京消防庁の調査によると、都内のほぼ全域にあたる管内で1998年以降、扇風機が原因となった火災が計70件起きているという。この火災の後、消費生活用製品安全法が改正され、来年4月からはガス瞬間湯沸かし器や電気食器洗い乾燥機など事故件数の多い9種類の家電は、メーカーに対し、点検時期が近づいていることを利用者に知らせ、要請があれば点検・修理するよう義務付けた。
一方、扇風機などの5種類には製造年月と安全に使用できる標準的な期間を表示することになったが、「標準的な期間」の設定はメーカー任せで、同じ家電でも「10年」「15年」などとばらつきが出そう。利用者側にも「モノは大切に使いたい」「少々の不具合は我慢すれば大丈夫」といった意識が根強く、経産省では高齢者の家庭にも扇風機などの経年劣化の危険を確実に伝えるために、回覧板が有効と判断した。
同省が製品安全の周知に回覧板を使うのは初めて。製品安全課では「不調のサインを見逃さずに、販売店やメーカーに相談してほしい」と話している。
平成20年3月30日読売新聞より
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