生みの親どこに…取り違えられた50歳男性に個人情報の壁

08年4月11日 読売新聞に
福島市内の50歳の男性の事例が取り上げられている。またしても、杓子定規な「個人情報保護法」の事例である。

東京都立墨田産院の赤ちゃん取り違えで出生直後に無関係の夫婦に引き渡されて育った福岡市の自営業の男性が10日、50歳の誕生日を迎えた。

 実の親と離れ離れになった日から半世紀。「自分も親も年をとっていく。少しでも早く実の親を捜し出して、自分のルーツを知りたい」という思いは募るばかりだという。

 

男性は46歳の時にDNA鑑定で夫婦の実子ではないことが判明した。「本当の親や取り違えられた相手が名乗り出てくるかも知れない」という思いから、都を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしたのは2004年10月。06年10月に都側に2000万円の支払いを命じた判決が確定したものの、裁判が報道されても「心当たりがある」と言ってくる人もなく、都からは「個人情報保護法等の制約がある」と親捜しへの協力を拒まれた。

 男性は自分の誕生日前後に墨田産院で生まれた男の人を見つけ出し、取り違えられた心当たりがないか尋ねることにした。産院のあった墨田区の住民基本台帳で23万人分すべてを閲覧、自分の誕生日前後に生まれた約70人を抜き出した。

 昨年5月までに全員の自宅を訪ねて約50人から話を聞けたが、可能性のある人はゼロ。事情を話すと、全員が血液型や生まれた産院を教えてくれ、中には「頑張って」と励ましてくれた人もいたという。

 取り違えられた相手が区外に引っ越した可能性もあるため、出生届を受理した自治体が、子どもの氏名や本籍地などを記載する「戸籍受付帳」の閲覧を請求。「個人情報に当たる」として非公開とされたため、今年1月に閲覧を求める審判を東京家裁に申し立てた。

 男性の育ての親への思いは深い。2月に母親がけがをした時には徹夜で乗用車を走らせて、都内の実家に戻った。「生みの親に会えたとしても、親せきが1組増えたような感覚かもしれない」とも言うが、「理屈では言い表せない本能的な思い」から、本当の親に会いたいという気持ちは年を追うごとに高まる。

 「どこかで元気でいてほしいと思っているし、もし亡くなっているのなら、せめて兄弟に会って、どんな人だったのかを聞いてみたい」と話している

 「どこかで元気でいてほしいと思っているし、もし亡くなっているのなら、せめて兄弟に会って、どんな人だったのかを聞いてみたい」と男性は話しているという。

投稿者 文洋株式会社 : 2008年4月16日 16:14